2026/05/01
IKJ通信 5月号
死後事務委任契約とは?
少子高齢化や核家族化の進展により、「おひとりさま」や家族に頼りづらい状況の方が増えています。自分の死後に、葬儀やお墓、住まいの手続きがどうなるのか不安に感じる方も少なくありません。
こうした不安を解消する手段の一つが「死後事務委任契約」です。これは、自身が亡くなった後の各種手続きを、あらかじめ信頼できる第三者に依頼しておく契約を指します。
どんな人に必要?
次のようなケースで特に活用が検討されます。
- 配偶者はいるが子どもがいない
- 子どもと疎遠、または遠方・海外に住んでいる
- 未婚で頼れる家族がいない
- 内縁関係や事実婚で法的な家族関係が弱い
- 家族はいるが負担をかけたくない
- 親族が高齢で手続きを任せにくい
このように、「頼れる人がいない」だけでなく、「負担をかけたくない」という理由でも重要な制度です。
契約でできること・できないこと
できること
- 葬儀・納骨・供養の手配
- 病院や施設の費用精算
- 遺品やデジタル遺品の整理
- 公共料金や家賃などの支払い・解約
- ペットの世話
- 行政手続き(保険証返却、年金・税務関連など)
一方で、次のような内容は対象外です。
できないこと
- 医療行為への同意
- 身元保証人の引き受け
- 相続の内容(遺産分割や認知など)の決定
つまり、「死後の事務手続き」は任せられますが、「相続や身分に関する判断」は別の制度(遺言など)が必要になります。
まとめ
死後事務委任契約は、自分の死後に関する不安を軽減し、残された人の負担を減らすための有効な手段です。特に家族関係や生活環境が多様化する現代において、事前の準備として検討する価値のある制度といえるでしょう。